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メイクアップコスメのDIY

CLASSROOM Magにてコラム「惑生探査記」を連載中の嵯峨実果子さん。白粉白書では、ファンデーションやアイシャドウ、チークを手作りする方法が綴られていた。お手製の化粧水やパックのことなら知っていても、メイクアップコスメまで作れるとは初耳。さっそく編集部の2人が、嵯峨さんに教わりながら、はじめての手作りコスメに挑戦してみた。

photo by Shina Matsumura
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お話を伺った嵯峨実果子さん photo by Shina Matsumura

メイクアップコスメを作るようになったきっかけ

そもそも、嵯峨さんがメイクアップコスメを自作しようと思ったきっかけはなんだったのだろうか。
「初めて作ったのは3年くらい前。アイシャドウがなくなりかけていて、次はどうしようかと思ったんです。それなりに節約して暮らしているなか、百貨店で買うのもどうかという気持ちがあったし、毎日使うものだから手に取るたび心が貧相になりそうな安いものも嫌で。ラグジュアリーでもプチプラでもオーガニックでもなく、同時にその要素すべてを満たすものはないかなと考えていたとき、『作る』という選択肢が浮かんできたんです。
さっそく調べてみたら材料を売っているサイトがあるし、レシピもある。難しくもなさそうだったので、すぐに作ってみました。それが気に入って、今では毎年1月の三が日が明けたらその年の色を作るというのが恒例行事になっています」。

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パーソナルカラー診断で似合う色を探す

今回作るのは、アイシャドウ、チーク、口紅の3種類。材料は「オレンジフラワー」(http://www.orangeflower.jp/)というオンラインショップで注文しておいた。レシピも同サイトに掲載されているものを参考にする。
「せっかくなら自分に似合う色を作りたい!」ということで、製作を始める前にパーソナルカラー診断からスタート。嵯峨さんはオータム、編集部の山田はサマー、牟田はスプリングと、全員が別のタイプだった。カラー診断の色見本と手元にある材料を見比べながら、それぞれどんな色のアイテムを作るか決めていく。

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アイシャドウとチークの主原料は鉱石の粉

最初に作るのはアイシャドウ。まずは嵯峨さんに作り方を見せてもらう。
「アイシャドウとチークは材料がほぼ同じで、主にマイカで作ります。ミネラルファンデーションの主原料にもなっている、雲母の粉ですね。白いマイカに、皮脂を吸着して化粧持ちを良くしてくれるサンゴパウダーやケイ素などを加えてベースを作ります。ここに水酸化クロムや酸化鉄といった色材や、すでに色材で着色されているマイカを入れて混ぜながら、思い描く色に近づけていくんです」。
小さな乳鉢にスプーンで粉を加えるたびに、しっかりとすり混ぜていく。デジタルスケールで微量ずつ測りながら作るものの、想像していたよりもずっとおおらかだ。絵の具で好きな色を作るのと同じ感覚で、乳鉢のなかに色を加えていく。

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「納得のいく色ができたら、無水エタノールとオイルで固めます。オイルの種類はホホバオイルやココナッツオイルなど。さらにエッセンシャルオイルを少量加えて香りをつけることもできるんです。ただし、肌に刺激を与えてしまうものもあるので使う前には必ず確認するようにしてください。今回は、ラベンダーオイルを少しだけ使います」。
ぽたんと1滴落とされたとたん、華やかな香りが立ち上る。メイクをするのがますます楽しくなりそうだ。

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無水エタノールとオイルがしっかり混ざったら、金皿に山盛りにしてティッシュで覆い、手のひらでしっかりプレスする。できるだけ均一に圧力がかかるように、真上から押すのがコツなのだそう。

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口紅はあっという間に完成

1色分のアイシャドウを作るのにかかった時間は約20分。チークもほぼ同じ時間内に作ることができた。
最後は嵯峨さんも初めて作るという口紅。キャスターオイルとホホバオイルが主原料で、気温が高い日でも溶けてしまわないように、融点が高いキャンデリラワックスとミツロウも電子レンジで溶かして加える。ここに、マイカと酸化鉄で着色し、リップチューブに流し込むだけ。冷えると固まってきてしまうので、時間がかかる場合は湯煎しながら作業する。アイシャドウ、チークよりも短時間で完成した。
「溶かすという作業に不安があったのですが、すごく簡単で意外でした。ゴールド系の色もしっかり出せたと思います。また作りたいですね」と、嵯峨さん。

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想像以上に鮮やかな発色

すべて出来上がったところでメイクアップタイム。アイシャドウとチークはまだ柔らかいので持ち歩くためには1日くらい乾燥させたほうがいいものの、使う分には問題ない。「手作り」に対するイメージからほんのりと優しい色づきかと思っていたが、実際肌にのせてみるとしっかり発色して驚かされる。
自分の好きな色であるということと、世界にひとつだけという特別感が相まって、気持ちがとても明るくなった。

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オータムカラーの嵯峨さん photo by Shina Matsumura
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サマーカラーの編集部 山田  photo by Shina Matsumura
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スプリングカラーの編集部 牟田  photo by Shina Matsumura

「贅沢をしている」という感覚が魅力

最後に、手作りメイクアップコスメの魅力を嵯峨さんに伺った。
「毎シーズン発売される市販の化粧品は、コンセプトも魅力的だし見た目も美しいから、買うのが好きな方も多いと思います。ブランドロゴに加勢されて士気が上がることもある。既にマーケットにあるものに踊らされるたのしさもあれば、それにノらず勝手に踊るよろこびもあります。そういう贅沢ですね。自分好みの色だから、きっと似合っていると思っています。
市販のものでもたくさんの色がありますが、4色くらいのパレットになっていたりしますよね。そのなかで使わない色があっても、セットで買わないといけないのはちょっと悲しいから、必要な分だけ手に入るというところにも魅力を感じます」。
絵を書いたりデザインをしたり、料理が好きな人もきっと楽しめるのではないかという感想を伝えると、嵯峨さんも大きく頷いてくれた。
「クリエイティヴィティとしてすごく楽しいですよね。いつもはひとりで作っているので、誰かと一緒に作るっていうのも新鮮でした。自分は作らないような色だったり、似合う色を話し合ったり。既製品を買うしかないと思われていたものでも、自分で作るという選択肢があることを知って、実はそれがどういう材料で出来ていて、私がほしいものはどういうものか、と細かく出会いなおしていくことは、ある意味豊かだと思います」。

photo by Shina Matsumura
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Text:Haruka MUTA
Photo:Shina MATSUMURA, Masae YAMADA

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