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Column/ 惑生探査記

鳥葬

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根こそぎに
掘りかえし
疑わしきは
根絶やしに
カッコーの巣をつくる
ふ化する前に
速やかに

飼い慣らされた
ネコシラズ
お気に触れば
首根っこ
引っ掴まれて
ホトトギス
鳴いて血を吐く
返り血浴びて
極楽鳥も飛び去った

能ある鷹の隠した爪も
火のともされた貝爪も
一枚一枚剥がして捨てる
好きな絵柄をのせるネイルも
なくなって
呼んでるよ霧のなか
さえずりよりも悲鳴がまさり

盛られた致死量
ネコイラズ
骨身に染みても
痛まないよう
悼まないよう
気付かぬうちに
巻かれた煙に
つながれている

視線の網目に羽が絡んで
飛べなくなったら
転げて踊ろ
息が苦しくなったなら
明朝体の先端で
言葉のむこうに風穴をあけ
降りて潜ってどこまでも
地を這う私の飛び方は
誰にも決められない

嵯峨実果子
1983年京都生まれ。詩人、文筆家。 「ミことば」で平成27年度第33回 世田谷文学賞 詩部門受賞。趣味は芳香植物の栽培と観察。 mikakosaga.tumblr.com

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